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ストップおんだん館 世界おんだんか紀行 イギリス湖水地方編
「ピーターラビットとビアトリクス・ポターのおはなし」
〜100年つづくナチュラルライフのすすめ〜

ストップおんだん館 2006年8月20日イベント開催 報告レポート ラピータ/文

 
 
 東京タワーの程近く、神谷町にあるストップおんだん館にて開催された、「ピーターラビットとビアトリクス・ポターのおはなし」のイベントに参加しました。

  

 ビルの1Fフロアーにあるストップおんだん館は、地球温暖化の仕組みをわかりやすく楽しく学べるテーマ館です。インタープリターと呼ばれるスタッフが、様々な展示物や、書籍を紹介しながら解説してくれます。

 今回は、「ピーターラビットと地球温暖化のおはなし」というパネルを、全国に展開する最初のお披露目イベントとして「ピーターラビットとビアトリクス・ポターのおはなし」と題して開催されました。

  
 地球おんだん館にてお披露目された展示パネル(写真左)
 イベント最後に登場したピーターラビット。この後、ピーターと一緒に写真撮影会が開催されました。(写真右)

 このパネルは、地球おんだん館に展示された後(8/27まで)、9月以降は各都道府県の地球温暖化防止活動推進センターが、公共施設やイベント会場等において「ピーターラビット とおんだんかのおはなし」のパネル展示や、イベントなどを行い、ピーターラビットと一緒に地球温暖化防止活動を展開する予定なのだそうです。

  ●○パネル展示

 これらのパネルには、「ピーターラビットとおんだんかのおはなし」として、ピーターの故郷でもあるイギリス湖水地方で、ピーターとその仲間たちがどのような暮らしをしているのか、絵本のお話の中から再現されるその暮らしを紹介すると共に、作者ビアトリクス・ポターの自然を愛する心と、その活動を紹介されています。

 また、「ちきゅうおんだんか」とは一体どのようなことなのか?を、ピーターと一緒に学ぼうというパネルもあり、ピーターとその仲間たちが活躍する絵本に描かれている自然豊かな風景を、ちきゅうおんだんかを防ぐことで取り戻そうと、そのような気持ちが伝わってくるパネルとなっていました。

 パネルの中から一部抜粋しますと、

  「ピーターラビットが生まれた約100年前から、現在まで
   地球の平均気温が 0.6℃も上昇しました。

         ↓
  「このまま温暖化がすすむと、現在から約100年後には
   地球の平均気温が最大 5.8℃も上昇してしまいます」

 本当に恐ろしいことです。今、私たちにできることをピーターファンである私たちが率先してやらなければいけないのではないかと、そのような気持ちにもなりました。

 まずは、スーパーのレジ袋はもらわない!、そして出来るだけ車の使用は避ける、車を使用する際は、エコ発進を心がける、水道水は流しっぱなしにしない、これから購入する商品は、エコマークのついたエコ商品を選ぶと共に、リサイクル品の活用する、電気はこまめにスイッチを切り、使用しない電気製品はコンセントを抜く!このようなまず「できること」からはじめていきたいと思います。

 このようなパネル展示を見物した後、同じフロア内に用意された特設会場で、ゲストのお二人をお迎えしてイベントが開催されました。

 ゲスト: アロマセラピスト ライター 元フジテレビアナウンサー 大橋マキさん
     
 まずは、ゲストの大橋マキさんがご紹介され、大橋さんのピーターラビットの出会いや、好きになったきっかけなどご紹介されました。小さい頃から気づけば上履きのカバーや、バッグなどの刺繍がうさぎだったり、うさぎに慣れ親しみ、大好きになっていたという大橋さん。そんな、大橋さんが英国の田舎で暮らしていた頃のエピソードとして、丘の上でお昼寝をしていると、野うさぎとであったり、ハリネズミが寝ていたりと、まるでピーターラビットの絵本の世界が、そこに展開されているかのごとくだったそうです。

 次に、ピーターラビット研究の第一人者の大東文化大学の河野教授が紹介され、「ピーターラビットとビアトリクス・ポター」について紹介していただきました。プロジェクターに映し出された、うさぎらしいリズム感あふれるスライドが楽しく、子どもから大人まで幅広い年齢層にもかかわらず、プロジェクターに見入ってしまいました。

 河野教授のお話は、『ピーターラビットのおはなし』が誕生した経緯を説明するだけでなく、例えばポターの誕生日や、イベント開催日などにちなんで、その時にあったエピソードを関連付けて話してくださるので、話を聞くだけでなく、頭でその出来事を想像したりと、あっという間に時間が過ぎました。

 その後、元アナウンサーの大橋さんが、『ピーターラビットのおはなし』と、『モペットちゃんのおはなし』の朗読を聞き、最後に地球温暖化と、ピーターラビットについてのクイズが出題されました。

 その時に出題されたクイズは、
 「ピーターラビットの物語が誕生してから113年ですが、地球は生まれてから何年でしょうか?」など、地球おんだん館ならではのクイズは結構難しく、また、ピーターラビットに関するクイズも出題されました。ピーターラビットについてのクイズは、とっても簡単だったこともあり、小さな子ども達も元気よく答えてくれました。

 クイズに正解した子ども達は、大橋さんより『ピーターラビットのおはなし』の絵本と、ピーターラビットと一緒に記念撮影した写真がプレゼントされました。

 最後に、大橋さん、河野教授より、チームマイナス6%運動についてひと言ずつご挨拶がありました。

 大橋さんからは、ピーターラビットの時代にできることも、今の時代にできることも、そんなに変わりはない。今できることを探していけたらというお話でした。河野教授は、エドワード・ローレンツ博士のバタフライ効果を解説した上で、ビアトリクス・ポターが、湖水地方の伝統的なフォークダンスを復活させるべく、たった一人の活動から、やがて多くの賛同者を得た話を最後の言葉として結ばれました。

 イベント終了後、チームマイナス6%運動に参加を希望した人たちに、塗り絵付きピーターラビットチームパスが配られました。

  
 こちらが、塗り絵付きピーターラビットチームパス。(写真左)表 (写真右)裏

 さらに、ピーターラビット貯金箱と、バックのプレゼントも!!
 


〜〜あとがき

 ビアトリクス・ポターがヒルトップに移り住んだのは1905年、『ピーターラビットのおはなし』が出版された3年後です。そしてそこからヒルトップ農場を含むニアソーリー村、またポターがナショナル・トラストに寄付した4000エーカーを超える土地や建物は、そのすべてを管理しているナショナル・トラストにより、ポターが生きていた100年以上前と同じような景観を保っています。

 しかし、地球温暖化により、地球の気温が上昇することで、そこに住む動物や植物の生態に深刻なダメージを与え、絶滅する恐れのある種や、動物がもう既に出始めています。ピーターラビットの故郷はもちろんのこと、地球全体がその危機にさらされているのです。

 私たちは、便利な使い捨て時代に生き、それに慣れてしまっています。スーパーでレジ袋はもらうのは当然のことだし、パックやトレイに入ったままの食品でなければ、清潔ではないような気がして購入するのを躊躇してしまいます。そしてそれらがゴミとなり、ゴミを燃やすことで二酸化炭素濃度が増え、地球の気温を高めているのです。

 ピーターラビットとその仲間たちが描かれている絵本シリーズのイラストを見ると、昔の人達が当たり前のように使用していたアイテムやヒントが隠されています。河野教授もおしゃっていましたが、ピーターのお母さんは買物に行く際、買物カゴを持参していました。また、トムのお母さんはボウルに入れた水で子どもたちの顔を洗ってあげます。グロスターの猫のシンプキンは、ミルク入れを持ってミルクを購入しに行きます。どこにヒントがあるのかは、もうおわかりですね。買い物カゴがあれば、スーパーのレジ袋をもらう必要がないですし、ボウルに水を入れて顔を洗えば、水道水を流しっぱなしにする必要がありません。

 このような暮らしが当たり前だった頃と、現在を比較すると、ゴミの量はどれぐらい増えたのでしょうね。

 今回のイベントに参加して、ビアトリクス・ポターの絵本やそのナチュラル・ライフの生き方を通して、教えてもらうことがたくさんあるような気がしました。一人、一人の活動が、やがてマイナス6%運動の架け橋となって、100年前の地球の平均気温を取り戻すことができるのであれば、それは素晴らしいことじゃありませんか!?

(2006.9.7 レポート 作成: ラピータ ラピータの部屋コンテンツ)

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